インフルエンサーによる拡散は一過性?
インフルエンサーが企業の依頼を受けて発信する動画や投稿は、一過性の話題で終わってしまうことが多い。
1. なぜ一過性になりやすいのか
(1)フォロワーの行動特性
多くのフォロワーは、インフルエンサーの投稿を「暇つぶし」や「エンタメ」として消費している。彼らは、次の新しい情報やトレンドを求めて、次々とコンテンツを消費するため、一度見た商品やサービスへの関心が持続しにくい傾向にある。
(2)ビジネスモデルの構造
インフルエンサーの収益は、多くの場合、投稿単価や成果報酬に基づいている。そのため、彼らは短期的に多くの依頼を受け、短期間で最大の効果(再生数、いいね数など)を出すことを目指している。これは、「量産型」のコンテンツを生み出すことにつながり、ブランドの長期的な価値向上には結びつきにくい。
(3)ブランドとのミスマッチ
インフルエンサーが持つ「パーソナリティ」が、必ずしも企業の「ブランドイメージ」と一致しない。一時の話題性で起用したものの、フォロワーの持つイメージと企業のイメージがかけ離れており、長期的なブランド構築に逆効果となることもある。
2. 一過性を超えるための「パートナーシップ」
しかし、すべてのインフルエンサーがそうであるとは限らない。中には、一過性の話題を超えて、企業の長期的なブランド構築に貢献できるインフルエンサーも存在する。彼らは、単なる「広告塔」ではなく、企業の「アンバサダー」として活動している。
(1)長期的な関係の構築
企業と継続的に協業し、ブランドの「顔」として発信を続ける。これにより、フォロワーはブランドへの信頼感を深める。
(2)深い共感の創造
商品やサービスの単なる紹介ではなく、それを自分のライフスタイルにどう取り入れているか、なぜその商品が好きなのかを、彼ら自身の言葉で深く語る。
(3)ニッチな層への訴求
多くのフォロワーを持つ「マス」なインフルエンサーではなく、特定の分野に深い知識と熱意を持つ「ナノインフルエンサー」や「マイクロインフルエンサー」を起用することで、高いエンゲージメントとコンバージョンが期待できる。
結論として、インフルエンサーは、使い方を間違えれば一過性の話題で終わるリスクがありる。しかし、彼らを単なる「広告媒体」としてではなく「信頼できるパートナー」として、長期的な視点で協業することで、彼らの持つ影響力は、企業の成長に大きく貢献する可能性がある。