撮影・編集で注意すること
ドラマ仕立て
- 制作の中でも最も難易度が高く、シナリオや構成力が問われる。スタッフの能力やセンス、ノウハウや総合的な制作能力が問われる
- 事前準備や事前調査・取材が必要となり、撮影機材やスタッフを大量投入するため、プロジェクト管理能力が欠かせない
- 撮影に時間がかかり、撮影の段階でクオリティーが決まるので、後での修正ができない。(映像1~2分のシーンで1時間程度必要)
- 編集はドラマシーンだけであれば、OKカットの抜き出しとカットのグレーディング調整等のみで編集時間は他の仕立てよりかからない。ただし、撮影段階で失敗している場合には編集時間が長くなってしまう。
ドキュメンタリー(インタビュー・取材)仕立て
- 取材前の調査が必要になったり、収録素材の中から必要場面を抜き出す構成力が必要となり、制作難易度は高い。
- 撮影は必要最小人数で行うことができるが、取材先と事前の調整が必要となり、その事象が撮影できるまで、時間や日数が必要になる。
- 撮影時間が伸びれば伸びるほど編集時間が長くなっていく。撮影に費用がかからなくても編集に費用がかかるようになる。
- インタビューの場合、もっとも費用がかかるのが内容の抽出と分析。書き起こし等の手間や映像抽出に時間がかかり、編集時間がどの仕立てよりも長くなる。
キャスターや講師の解説仕立て
- キャスターや講師が解説するシナリオ原稿が出来上がっていれば制作難易度は低くなる。
- 出演者の人選に失敗すると撮影時間が長くなり品質も悪くなる。長文の場合、覚えることは難しくなるのでシナリオ等作成時に注意が必要。
- スタジオ等の撮影場所の確保、プロンプター等の撮影以外の機材、スタイリスト、メイク等のスタッフが必要になるため、撮影コストはかかる。
- 映像だけの(スーパーや説明図の加工がない)編集はシナリオ通りにOKカットを並べていくので編集時間は他の仕立てよりかからない。
スパーテロップ(文字)や説明図の編集
- 仕立てによっては基本編集部分よりも文字や図表を挿入する方が編集時間は長くなる。
- 単純な説明用の文字を挿入する、説明図を加工して挿入する、挿入箇所が増えれば増えるほど編集時間もコストもかかるようになる。
- 文字を動かしたり、特殊効果をつけたり、デザイン感覚が必要となる場合、デザインやCGイラスト等を素材として作成することになるので追加予算が必要。
特殊効果編集
- 視覚的にデザイン的にかっこいい編集。この編集に時間とコストがかかる。(既製品やパターン化されたものを利用する場合は多少、時間コストを抑えることができる)
- 人物等の合成をする場合、合成する素材との関係を把握して撮影することが必要となる。
- VFX等の合成技術を使ったものは準備、素材作成、撮影等に時間がかかる
- 仕上がった特殊効果素材を基本編集部分にマッチングする時間がかかる
ナレーション部分の映像編集
- 撮影素材、イラスト、CG、図表、写真等の素材収集ができていればシナリオに合わせて編集する(通常編集)
- 仮ナレーションを先に入れて編集をしていくので一手間かかる。
- 文字やデザインや効果等に凝れば、編集時間もコストもかかることになる。
- ナレーションを収録するため、スタジオ費やナレーター費、音楽効果費がかかる。
音楽効果(選曲)編集
- 映像に欠かせない音楽効果は使用素材によりコストが変わる。
- 基本的には選曲家の基本人件費+曲数でコストを計算する。時間も多少必要になる。
- 選曲した音楽や効果を映像とマッチングさせるための仕上げ費(編集・MA費)が必要となる。